不都合
1993年から2001年までアメリカ合衆国・クリントン政権において副大統領だったアルバート・ゴアという人物をご存知でしょうか?
ゴア氏は2000年の大統領選に立候補し全国一般投票での得票数では勝っていながら、フロリダ州での開票手続きでの問題のあと最終的に対立候補であった現ブッシュ大統領が選出され落選してしまいました。
その後、政治家としては第一線を引いていた彼が、主演を努める映画が公開されています。
その「不都合な真実」という名の映画は、いま世界が直面している地球的環境問題(地球温暖化問題)について警鐘を鳴らすべくつくられたドキュメンタリー映画ですが、「周行」に通ずるものを感じています。
ゴア氏はハーバード大学在籍中であった1960年代後半から環境問題に関心を持ちその後、政治家として様々な活動を続けてきましたが、その問題意識が飛躍的に高まるきっかけとなったのはごく個人的な動機だったそうです。
それは1989年に当時6才の息子が交通事故により瀕死の重傷を負いながらも奇跡的に命を取り留めたその時に、この息子が将来生きるべき場所となる地球に大いなる危機感を抱いたそうです。
その後、大統領選の敗北という挫折の後に政治家としてではなく一個人として「地球温暖化」の問題を伝えるべく講演を始め、それはアメリカ合衆国に留まらず世界中で1000回以上の講演を続け、それが高い評価を受けこの映画へと繋がったようです。
誰でも、いきなり地球という尺度で話をされても、ピントが合わなくても当然だと思います。
でも、成長した自分の子供が生きる場所という視点で見れば他人事ではすまされない事を意識しやすいと思うのです。
豊富にあると思いがちな水資源も使える真水は地球に存在する水の0.003%であるという事、
地球上の大気とは地球儀に塗られているニス程の厚さ分しか存在しないという事などからも、
水と空気という当たり前に考えてしまう資源について意識を変えていかないと取り返しがつかないところまできているかもしれません。
温暖化の問題も含めてほぼ全ての環境問題は、人間それも地球上のほんの一握りの先進国と呼ばれる国の人間が便利さを求めるあまり、地球を傷つけ汚し続けた事が起因しているといえます。
その張本人である人間が意識を変える以外、その解決策はありません。
個人それぞれの問題も同じく、その原因を根本から突き詰めてゆけば自分自身に起因する事が殆どではないかと思います。
自分を見つめ直すと言う事は、自分にとって不都合な事を認めるところから始まります。
不都合だから見つけにくく、見つけやすい他人に矛先が向いてしまいがちになります。
だから、厄介なのです。
しかし、作品中で語られる
「人間がやった事だから、人間が直せる」
とするならば
「自分がやった事だから、自分が直せる」
と思います。
良いも悪いも個人それぞれの意識が揃った時には、必ず大きな力となるのです。
何より映画のタイトルでもある「不都合」という言葉にも多くのメッセージが込められていると思います。
誰にとって「不都合」なのか……
自分にとって「不都合」な時はないのか………
どんな時に「不都合」なのか………
スケールや状況を置き換えれば、様々な問題に当てはまる事だと思います。
日本人だから